「地域で働く課題とわたしたちの”NewNomal”」 開催レポート
Loco-working協議会では、地域に根ざして活動している全国各地の団体と、オンラインイベントを開催しました。
5/19,26の2日間にわたって実施したイベントをレポートいたします。
今改めて、「働く場所としてのまち」 「地域での仕事」について考える
2020年の始まりとともに、突如やってきた新型コロナウィルスの影響により、私たちの暮らしやはたらく環境も大きく制約されたり、変化を余儀なくされた状態となりました。
”暮らす”と”はたらく”が分断されない働き方の提案や、身近な地域の仕事づくり、地域から提案する新しいビジネスや価値づくりに取り組んできたLoco-working協議会。地域に根差し、地域に新しい経済圏を、と活動を重ねてきた私たちだからこそ、今までのつながりのある団体の方々と、私たちは今後どうしていけばいいのか、改めて「地域」の課題とこれからを対話していく必要があるのでは。そんな思いから本イベントを開催しました。
オンラインだからこそ。 全国各地から多くの団体が参加!
2日間の参加者は、北海道から九州まで33名。(のべ人数43名)地域で活動する個人、非営利団体、民間企業、議員など様々な属性の方です。オンラインでの開催であり、そしてコロナ禍で活動が制限されていたり、改めて事業を見直しているタイミングだったからこそ、多様なエリアの方たちに参加いただくことができました。
参加者の方たちからも、他地域の団体の事例や課題などを、一同に話し合えるこのような機会は貴重だったとの声も多く聞かれました。
(※参加者エリア・属性など詳細は文末の画像をご覧ください)
対話から見えてきた、課題とキーワード
まずは、各地域の団体の状況や個人として感じることなどを、全体でシェアしました。そこからいくつかのグループに分かれ対話。
もともと抱えていた課題もあれば、コロナの影響で浮き彫りになった課題、逆に可能性として感じられることなど、様々な意見がありました。
【課題】
- 地方と都市部はコロナの影響による自粛の具合は異なるけれど、何らかの影響は起きている
- 経済の停滞によって、仕事が動いていない、動かしにくい状況。自分達の事業モデルを変更せざるを得ないけれど、オンラインのノウハウがなかったり、予測不能な状況で判断が難しい。
- 外から人を招く、人を集めて事業をする、といったものの影響が大きい人たちは大変な状況
- 家庭の中で、家族全員の「暮らし」「仕事」「学び」が一気に混ざり合い、ストレスがかかっている。子どもが小さい家庭は影響大きく、はたらくところまで目が向かない状況でもある。(休校措置、オンラインに不慣れなお母さんたちなど)
- ストレスからの虐待やDV、学生はアルバイトができず生活困難になるなど弱いところに影響が出ている。つながりがなかった人たちがつながれない、オンライン環境が得られない人が孤立するなど、格差がますます広がる
- 移住のチャンスでもあるが、空き家問題の課題はかなり手を入れないと難しい。
【対話からのキーワード】
- コロナも「自然」の一つ。不確実な世の中であいまいさとともに、自然とともに生きていく。
- コロナで家族との時間が取れた。子どもたちとの時間、ゆとりがあった時間を持続したい。この感覚を大事にしたい。
- 暮らす、はたらく、学ぶの融合、リモートと教育
- はたらく場所としての町、地域ということがもっと重要になってくる
- 電車や人混みが嫌で地方に戻ってきたが、環境がよい地域に企業がまるっと移転してくるかもしれない。
- 長屋のようなコミュニティ、補い合いながら生きる。
(でも、昔ながらの閉塞的な地域の関係性ではないものを) - リアルの代替ではない、オンラインの価値、オンラインでしかできない事の模索
- 「拡張家族」など家族のありかた、線引きも変わっていく必要がある
- 地域同士が連携すること、誰かの事例が、誰かの助けになる。
- 「地域課題を解決するまち仕事」「地域間連携」「新しい定義・文脈」といった点がキーワードとなっているようです。オンラインで開催し、多様な地域同士で対話を深めたことで、実際に地域間連携を体感した、という感想も多く聞かれました。
社会/時代が動くタイミングで、 何を次の”あたりまえ”としていくのか
誰にとっても、どんな世代にとっても、“暮らす”と“はたらく”が一気に混ざり合うことを体験したコロナによる自粛期間。今までの社会システムで弱かったところが浮き彫りになり、そしてそこに大きな影響がでてきたことがあきらかになったように思います。
みなさんとの対話を経て、今までのあたりまえから、これからのあたりまえ=New normalを考えていくなかで、地域も、それぞれの暮らし方、はたらき方にも、新しい定義、文脈が必要になってきている時期だと感じています。
不確実な未来に向け新しい文脈を考えていくには、各地域が連携していくこと、越境・混ざり合うことで新しい何かが見えてくるのでは…。
これからもLoco−working協議会では、地域が新しい文脈でつながる、そんなプラットフォームを目指して事業を行ってまいります。